こんにちは!カン太郎です!
タイトルに施工管理日誌とつけておいて、施工計画については今回が初めての投稿となります。お付き合いください。鉄筋工事で柱鉄筋の地組計画を行ったときの話をしていきたいと思います。
鉄筋の地組とは?
鉄筋工事における地組とは、柱や梁の鉄筋を別の場所で組立を行うことです。組立てた柱や梁のユニットはクレーン等の揚重機を使ってセットします。
地組とは別に手組と呼ばれる方法もあります。これは、通常通り現場で1本1本組立ていく手法になります。
上が地組の流れ、下が手組の流れになります。
地組のメリット、デメリット
地組のメリットは主に2つあります。
一つ目は施工のし易さです。当たり前ですが、現地で手組をするとなると他職の材料があったり、仮設の足場があったりで、5m,6mもある鉄筋を動かすにはとても良い作業環境ではありません。
それに比べて地組であれば、別の場所で組立てるので、他職や施工に不要な仮設を気にする必要がありません。無理な姿勢になる必要もなく安全に作業が行えます。
二つ目は工程の短縮になることです。施工がしやすければもちろん歩掛りが伸びます。揚重機でのセットを含めても手組よりも早く進む場合がほとんどのため、多くのRC造では地組での施工が採用されます。
次にデメリットです。こちらも主に2つです。
一つ目は、地組する敷地が必要になります。
『現場の端で組めばいいじゃん。』と感じる方もいるかと思いますが、材料を置く場所、作業する場所など考えるとどの現場も結構厳しいかとおもいます。
実際、僕の現場は地組ヤードを常時維持しておけるような敷地もなく、手組出来るような工期もなかったため、工区ごとに地組する場所を毎回移動しながら施工を行っていました。
二つ目は、揚重機が必須になることです。
地組したユニットは正規の位置にセットして完了になります。
手組であれば、搬入を終えたあとは揚重機はほぼ使わず、他職に明け渡すことが出来るのですが、地組になるとユニットのセットで占有してしまうため、他職の搬入等がほぼほぼ出来なくなってしまいます。
以上を踏まえて地組をするのか手組にするのかを決めていきます。コストに関して言うと、揚重機が必要になる分のコストは地組の方が高くなるのですが、その分減った人組や工期のことを考えると、その辺りも現場次第といったとこに落ち着くのかと思います。
地組に必要なもの、こと
1.地組ヤード・・・施工場所は必須
2.揚重機・・・揚重機計画、選定を行う
3.吊り治具・・・専用の治具がある場合もある
4.地組用架台・・・地組の際に用いる仮設
以上が主に必要になるものです。計画するときは鉄筋屋さんと十分に打ち合わせを行います。やはり、作業する人に聞くのが一番です。鉄筋を組むのが仕事の人たちですから。
施工状況
こんな感じで施工していきます。
地組の状況です。赤い丸で囲ったのが架台です。単管パイプを流してそこに鉄筋を預けています。奥ではユニットを吊り上げています。
吊り込んでいきます。
柱をセットしました。この現場では継手を機械式継手としています。圧接などで施工することもあります。柱が倒れないように、足場にもたせています。
セット後、ボルドで仮止めした継手部にグラウトを注入して柱筋の施工が完了となります。
まとめ
今回は鉄筋の地組について話してきました。最近は鉄骨造が主流のため、現場監督でも若い方は知らなかったのではないでしょうか。長い記事にお付き合いいただきありがとうございました。
それではまた!